外壁等大規模修繕工事のスムーズな進め方!①(まずは建物診断)

おはようございます\(^o^)/マンション管理の情報屋です。

外壁等大規模修繕工事って、これまで何十件と扱ってきましたが、ここ数年新しいマンションを担当することが多くてやってないし、書き始めると長くなりそうだったのであまり書きたくなかったのですが、皆さんの関心が割と高いような感じがしますので、ちょこーっと書いてみたいと思います。
わたしがこれから書くやり方は、わたしがやる場合のスタンダードな進め方であり、他の会社では当てはまらない場合も多々ありますので、まぁこういう方法もあるのかと参考程度にして頂ければ幸いです。わたし自身も、管理組合や建物の状況等によって、やり方はいくらでも変えちゃいます。

外壁等大規模修繕工事。
マンション管理組合では一番大きなイベントかも知れませんね。
工事自体も数カ月かかりますし、建物の外観もガラリと変わることもありますし、大きな金額も動きますしね。
ここでは、マンションの長期修繕計画書上、12年目に想定されていたとして進めたいと思います。

長期修繕計画書上、外壁等大規模修繕工事が12年目に設定されていた場合、たいていのマンションでは11年目に「建物診断」が設定されているかと思います。
なぜかと言うと
外壁等大規模修繕工事をやる前に、本当にその実施時期になっているのか??ということを調べる必要がある
からです。
「長期修繕計画で12年目に設定されていますから、12期で工事やりましょうね!」
と言っても「はいそうですね」とはなりません。

多くの管理組合の皆さんは当然支出を増やしたくない訳ですから、やらなくていい理由を探します。
「もう数年遅らせてもいいじゃないか!」と。
ということで、やるための理由を作るために、まず建物診断を実施します。(勿論理由はそれだけではありませんけどね)

マンションの建物診断では、大まかにいうと次のようなことを調査します。

・外観目視検査

建物全体を目視調査します。コンクリートのクラックや欠損やエフロレッセンスの発生、鉄部や外壁の塗装状態、屋上防水、廊下のシート防水の状態等々。

・打診調査

手の届く範囲で、打診鞭等を使用して、仕上げ材やタイル等の浮きがないか、目で見ただけでは分からない部分の調査を行います。手の届く範囲でサンプリング的に実施することになると思います。

・中性化試験

コンクリートは竣工当初アルカリ性なのですが、空気中の炭酸ガスや水中に存在する炭酸、酸性雨やその他塩類の作用によりアルカリ性を失っていきます。
建物の規模にもよりますが、外壁の数か所(階段の手摺壁等)居室等に影響を与えない場所を「コア抜き」と言ってフィルムケース位の穴を開けます。
その抜き取ったコンクリートにフェノールフタレインエタノール1%溶液をかけて、中性化が何ミリ進んでいるのか?年数的に適正なのかといったことを調査します。

・塗膜引っ張り試験

外壁の塗装部分について、専用の機器を使用し、既存の塗料のコンクリートに対する接着力を調査します。
これを行うことにより、上から塗装して良いか等を判断します。

・シーリング材劣化調査

目視の検査が多いと思いますが、たまに抜き取って引っ張り試験や硬さ試験を行います。

・その他
場合によってアンケート調査等を実施する場合もあります。
まぁ既にマンションで漏水等が発生していれば、別途に建物診断を行う必要がない場合もありますね。

といった感じで、建物診断を実施すると、ある程度の劣化状態が報告されますので、じゃあ大規模修繕を進めましょうね、ということになります。

緊急度が高い劣化状態であれば「スグに工事を進めなければいけません」となりますし
緊急度が低い劣化状態であれば「劣化が深刻になる前に、計画的に修繕を進めましょう」となります。

あ、そうそう忘れてました。上記に加えて工事の共通仕様書も作ります。後でそれを使って数社から見積もりを取り寄せることになりますので!

と、いった感じで次回の「外壁等大規模修繕工事のスケジュール」に続きます。。。(やっぱり大規模修繕の話って長くなるなぁ~。途中で挫けるかも。。)

記事公開日:2013-07-22

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