(やさしい判例集)エレベーターの段差でケガ

みなさん、おはようございます。マンション管理士の情報屋です。
今日も明るく楽しく管理組合の運営をしていきましょう。
フロントマンの皆さんは、心が病まないようにしましょうね\(^o^)/

今日の「やさしいマンション判例」は、エレベータの段差でケガをした事例の裁判について、ご紹介したいと思います。

【いつ】
平成24年11月19日
【どこで】
東京地方裁判所
【誰が誰に】
女性住民が、管理組合に対し
【どのように】
約15センチの段差があったエレベーターから降りた際に負傷したことにより、エレベーターの設置や保存の注意義務を怠ったとして、約1,421万円の損害賠償を求めた。
【結果】
請求が棄却された。

~背景~
①原告側は、1mmも段差があってはならないと主張。
②原告は66歳。EVが緊急停止し約1分間の閉じ込め後、1階へ下降し、着床寸前で停止。扉が開き降りた際に転倒して手首等を負傷した。
③同乗していた車いすの親と付き添いの子は、段差に気をつけて降りた。
④管理組合側は、EVかご内の防犯カメラの記録映像を状況証拠として提出した。
⑤管理組合側は、法令の基準書等で段差は最大20センチまで許可ゾーンとされ、原告の主張は非現実的かつ不合理と主張。
⑥原因は、当時大規模修繕工事が行われており、床の養生シートのテープがかご上部のローラーにからまったとされた。

~ポイント~
裁判長は、
一定程度の段差が生じることは避けられない
慌てて降りたため、障害を負った
EVの設置や保存に瑕疵は無い
と指摘した。

ということでした。
エレベーターが緊急停止等した際に私も一度立ち会ったことがあるのですが、まぁ中の人はパニックでした。そりゃそうですよね。
そういう意味では、ちょっと酷な判決のような気もしますが、1,421万円という金額の請求はまぁどうなんでしょうか?何でもかんでも裁判というのも。。。成功報酬は得られないとはいえ、弁護士さんの着手金が気になるところです(^^ゞ

ちなみに、私が居合わせた際、エレベーターの扉を鍵で開けることも可能ではあったのですが、やはり技術者でなければ開けてはいけないので、フロントマンとしては中の人に「大丈夫ですか」と声を掛け続けることしか出来なかったのですが、後日とても感謝されました(^^)

公開日:2013-04-17

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