マンション管理の情報屋です。今日は、高齢者サービスについて。
しばらく前のマンション管理新聞(943号)を読み返していたのですが、企業探訪のコーナーで㈱西電通(本社:大阪)という会社の「安否確認見守りシステム」が取り上げられていました。オートロックになっていない既設マンションのオートロック化で豊富な実績があるとのこと。
どういうシステムか簡単にいうと、
①マンションの出入りについて、㈱西電通の遠隔集中管理センターの監視画面で監視される。
②マンションへの出入り無しが3日経つと画面に黄色表示され、西電通から管理員へ報告される。
③1週間が経つと赤色表示に変わる。
④管理員が確認し、緊急性がある場合は管理員から警察や消防、あるいは関係行政機関に連絡してもらう。
⑤オートロックのシステムは、IP電話を利用したシステムとなっており、住戸内配線が不要。
⑥居住者はあらかじめ登録した携帯電話から専用電話番号へワンコールでオートロックを解除できる。(通話料不要)
⑦来訪者が訪問先部屋番号を集合玄関機で呼び出すと、居住者の電話がコールされ、居住者は電話で相手を確認の上、オートロックを解除する。通話料は100戸でも何戸でも月額定額料金700円と低額なランニングコスト。
⑧ICカードや顔認証でも解除出来るシステムが構築されている。
と、いうことのようです。
管理会社に限ったことではありませんが、高齢者に対応したサービスが求められている、というのは現場に出ていても、ひしひしと感じられます。
自主管理から管理会社へ委託した管理組合などは特にそういう傾向が多く見られ、理事会で上がる話題も階段手摺の改修だったり、民生委員の方のことだったり、長期修繕計画書は「(俺はいなくなってるから)30年は不要だよ!」なんて理事の発言がお約束になってたりします(゜o゜)
上記工事の費用がどの程度掛かるのかは興味の惹かれるところですが、もっと気になったのは同記事の下の方に記載されていた
「自社コールセンターから週1回の定期連絡」「毎月2回の水道メーター確認」などでの見守りを始めた会社もある。
というところでした。
最近ちょっと情報の取得が滞り気味になっているのですが、このように費用をそれほど掛けずにお客様のニーズを満たす方法もありますので、出来るところから提案を行っていかないと、と思ったマンション管理の情報屋でした。
最近。。。新人フロントマンの教育担当になってしまいました。管理会社フロントマンとしてのノウハウを教えることは勿論なのですが、原理原則を教えて自分で応用・対応出来るようにすることに一番ウェイトを置いています。
ちなみに二番目は、会社を辞めないことです(笑)
コンサルティングとして組合への提案は非常に良いサービスだと思いますね~
ただ、何戸でも加入できるという点で、費用の支出は組合ではなく、個人になる可能性が高そうですね。
全住戸一括にし、管理会社が元受になり、いろいろ調整したくなっちゃいます。
個人になると、高齢者ほど「私は大丈夫」という人が多そうな気がするので、営業もご本人よりご家族?等に営業したいところです。
新人教育は骨が折れますよね。
最近の新卒は一般教養が出来てない場合が多いのでしんどいです。
知識もそうですが、立ち回りが求められる仕事ですからね~
at 2014年09月09日
ななしさま、コメントありがとうございます。
日々、新サービスを練っているところです^^
at 2014年09月09日
当職が実際に経験した実例
1 高齢者夫婦世帯。電球が切れて暗くなっていても、脚立に上がって電球の交換をするのが危険なので、息子が来るまでそのままの状態にしている。
2 いわゆるドメスティックネグレクト。専有部分がゴミ屋敷。高齢化でゴミを捨てに行かない。幸い、ナマゴミだけは収集日に出してくれるので、いまのところ悪臭事件は起こっていないし、年2回の消防設備点検やガス設備の法定点検などは、入室させてはくれるのですが・・・。
3 社会問題化している悪質改修業者が、認知症気味の女性単身世帯を(狙って?)飛び入りで訪れ、このマンションの建築年からすると、トイレのタンクが老朽化している。可能ならば点検させて欲しいと言って、点検のまね事をする。浮きが古くなっているからと、交換を勧め、同意のもとに現金払いで杜撰な浮きの交換工事をし、領収書も連絡先も告げず立ち去る。
ところが、その浮きの交換工事自体がマジに杜撰で、漏水事故を起こし、5階から1階までぶち抜きの漏水事故に拡大発展、大惨事化しました。
金及び工事の問題は、管理組合が掛けたマンション総合保険の個人賠償特約で解決しようとしましたが、保険会社の算定した補償額よりも被害世帯の実損額の方が大きく、管理組合が当該女性の息子を呼び出して、当職も加わり、慰謝料代わりにその差額を支払うよう息子を斡旋、説得し、和解成立。
しかし、老女は近所目が気になり、かつ、ショックが大きくて認知症が重篤化し、施設へ入所。
このような実例を見ていると、管理組合は単に共用部分の面倒だけを見ていれば用は済むという時代は遠に過ぎ去り、専有部分の管理能力の低下した高齢者が多数居住するこのご時世、専有部分へも積極介入していかないと、専有部分の瑕疵を放置していたために、共用部分、他の専有部分への損害を与えるという大問題に発展しかねない時代に来ています。
このような事態を慮り、管理組合契約で、いわゆる「住まいのJAFサービス」、すなわち、専用部分に起きたトラブルに対しても電話1本で来てくれて、車であればJAFのような緊急対応、応急措置をしてくれる管理会社は現実に有ります。これは、今後のマンション居住者高齢化時代を見据えた、じつに先見性のあるサービスで、当職、おおいに評価しているのですが、これにも問題点はあります。
実名入りでいきましょう。星光ビル管理はこのようなサービスを行っていませんが、日本ハウズイングはこのようなサービスを行っていて、星光ビル管理が管理する当職関与管理組合に、うちに乗換えませんか、と勧誘にきたことがあります。
乗換えは時期尚早だが、「住まいのJAFサービス」はすぐにでも契約できなか、と管理組合。相談を受けた当職も、地域でこのような緊急対応業者をかかえるのはおおいに結構。契約組合が多ければ費用も安くなり、多様な業者と契約できるだろう。まずは、少々の金のことよりも契約を、と日本ハウズイングに申し込んだところ、ここで落ちが付きました。
この契約は、本来、包括管理委託契約をしている管理組合に対するオプションサービスであって、このオプション契約だけを切り離してすることはできないとの回答。
烈火のごとく怒って介入した当職、
「だいたい、こんなサービスもできると管理組合に言うてきたんはあんたのとこやないか。それができん言うんやったら、不公正な取引方法で消費生活センターや公正取引委員会に訴えるぞ」と勧誘してきた支店の支店長に電話かけまくり、どやしつけまくり。
結局、妥協案として、緊急時の対応を考えると、せめて管理事務室及び専有部分からの非常時連絡システム、いわゆる火災報知システムだけはメインテナンス契約させてくれ、と、なかなか理屈の通った回答をよこしたのですが、結局、管理組合は、費用面の増加も考慮に入れると現状では断念せざるを得ないとの結論に達しました。
星光ビル管理側にも、日本ハウズイングと業務提携をして、なんとか、この制度を導入せよと申し入れました。当時の星光ビル管理のフロント担当は、当職25年のマンション管理人生の中でも一二を争う非常に優秀な担当者でしたが、奮闘虚しく、こちらも没。
この事案、情報屋さんはどう思われますか?また、情報屋さんの所属する管理会社はいかがなされているのですか。ぜひ、お聞かせ願いたいです。
at 2014年11月01日
出ました!うわさをすれば何とやら。当職関与管理組合の高齢単身女性区分所有者死亡。先立たれた夫との間の間に子はなく、親兄弟その子全員死亡。いわゆる相続人不存在状態です。
鍵を開けての遺体搬出。身寄りのない遺体は市町村が引き取ってくれるのですが、警察も入っての事件性調査。家宅捜索で、市の福祉担当職員も加わって郵便物から縁故者を探して連絡先を調査中。どうやら、年賀状のやりとりから、この方、後妻に入ったらしく、先妻の孫がいるらしいことは分かったのですが、当然、相続権はありません。いやはや、これからの財産整理が大変です。
at 2014年11月08日
わたしが在籍する会社では、わたしは企画を提出中で、ちょっとそこは企業秘密ということでご容赦ください(^^)
管理会社の仕事は「問題を起こさせないこと」と「起きてしまった問題の処理を手伝うこと」と思ってます。
わたしたちは勿論、主役ではありません。
ですが、個人的には「契約外」のことにどれだけ対応していけるのかが、管理会社の価値のひとつと思っています。
at 2014年11月29日